ひとくちに債務整理と言ってもその方法は一つではありません。制度を利用する際には事前にいくつかの選択肢を把握しておき、そこから適切な物を選択する必要があるのです。では債務整理にはどういった方法があるのかというと、まず最も効果が大きいものとなるのが自己破産です。これは裁判所に申し立てをして返済能力が無いということを認めてもらい、債務を免除してもらうという方法です。

これに成功すると債務は全て帳消しとなり、その後の返済義務は無くなりますので最も効果的と言えます。次の方法となるのが個人再生です。個人再生は裁判所に申し立てる方法であるということでは自己破産と同様ですが、しかし大きく異なるのが、債務を全て帳消しには出来ないということです。これは債務を減額したうえで新たに返済計画を練り直し、数年間かけて返済をしていくように契約をし直すものなのです。

ただ自己破産は自身が持つ財産の多くを処分する必要があるのに対し、個人再生は一定の財産を保護したまま手続きを進めることができるというメリットもありますので、この点は押さえておきましょう。また裁判所に申し立てをしてスタートする三つ目の債務整理の方法となるのが特定調停です。これは書類をそろえて申し立てをし、債権者に対して債務の減免を依頼するという方法になります。この方法も財産を保護しつつ行えるというメリットがありますが、複数の債権者がいるとその債権者の数だけ話し合いをする必要があるため、やや面倒な方法になるという点がデメリットです。

そして最後に、裁判所に申し立てせずとも行える方法となるのが任意整理です。これは金融機関と直接交渉するために費用を大きく抑えることができますが、交渉が決裂すると何の意味も無いという大きなデメリットがあります。最近では最初から交渉には応じないという金融機関も多いため、この方法を利用する際には事前にしっかり計画を立てましょう。