過払い金は通常、請求されて支払いすぎた分に関しては全て返還してもらえるものとなっています。これはそもそも請求されすぎた、不当な金利に基づいて求められたものなのですから当然のことです。ですがしかし、貸金業者からするとたとえ過払い金であると言っても返したくないと考えるのもやはり、当然のことでしょう。そうした場においては、本来あってはならないことではあるのですが返還される過払い金の金額が安くなってしまうことがあり得るのです。

これは大手の貸金業者でも多く見られるのですが、返還請求のために交渉の場が設けられた場合、そこで「互いに交渉を重ねると時間をかかりますし、今回この金額で妥協しませんか」として交渉をかけてくることになるのです。これによって過払い金返還請求にかかる時間が短縮されることは事実ですが、実際のところ、これを受けると殆どの場合大きな損になります。と言うのも貸金業者の多くはどれくらいの過払い金を返還する可能性があるのかということを事前に把握しており、自社が負担する分が少なくて済むように3~5割程度を差し引いた金額を提示してくる事になるからです。加えてこの交渉を受けてしまうと必ず和解証明が作られ、今後その債務に関して返還請求をかける一切の権利が喪失してしまうことになります。

本来返してもらえたはずのお金をみすみす逃すのは非常に勿体ないことですから、もしこうした提案がされたとしても受け入れず、時間をかけて交渉していくことをお勧めします。